『クロサギ(7)・(8)』(黒丸・[原案]夏原武/ヤングサンデーコミックス)
おれはマンガを読むのにけっこう時間がかかるので、ちびちびと息抜きに読んできて、ようやく八巻。あと二巻で最新の巻に追いつくな。
七巻・八巻は、安定した面白さ。七巻の「ネット詐欺」だが、雑誌掲載時期を考えると、フィッシングはともかく、ファーミングなんてのは、最新のネタだったはずである。『ゴルゴ13』とかでもときどき思うんだが、マンガのためのリサーチもたいへんですなあ。『クロサギ』読んでて、「IPアドレス」だの「hostsファイル」だのという言葉に遭遇するとは思わなかった。せっかくマンガ読んでるのに、ちっとも息抜きになっとらん(?)。ま、面白かったけどさ。
八巻のメインは、テレビドラマでも厚めに使っていた「不動産詐欺」。黒崎のライバル、大企業専門詐欺師の白石の過去があきらかになる。ネタ的には、姉歯・元一級建築士らによる耐震強度偽装事件を予見していたかのような形になるのだが、巻末の「シロサギ・データ・ファイル8」によれば、作中のマンション崩落事件は、夏原武が過去に取材していた建設現場で得た素材だそうだ。要するに、姉歯事件がいつどこで起こっても不思議ではないとクリエイターに思わせるような実態が、さほど珍しくもなくあったということなのだろう。必然として、予見した形になってしまったわけだ。
七巻は、「絵画販売詐欺」「ネット詐欺」「内職詐欺」、八巻は、「身分詐称詐欺」「不動産詐欺」「出張ホスト詐欺」を所収。
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コメント
ゴルゴ13読んでみたい笑
投稿: ★カスミん | 2006年10月19日 (木) 12時26分
>★カスミんさん
えっ、読んだことないんですか!? それはいけません。日本国民としていけません。外務大臣も愛読しています。むかしは、散髪屋に行くと、決まって『ゴルゴ13』が置いてあったものです。あれはコンビニルートでも流通している書籍ですから、入手に困ることはまずないので、ぜひ日本人の基礎教養として読んでみてください。
投稿: 冬樹蛉 | 2006年10月24日 (火) 01時39分