そうそう、公務員といえば
おれが住民税を払っている京都市という地方自治体などは、たいへん熱心に経費の節減に取り組んでいるよ。市の職員の中から五か月のあいだに十人もの逮捕者を出し、そのうち何人かは懲戒免職にした。なかなか辞めさせられない公務員の首を、これほど効率よく切り続けている自治体も、そうはないだろう。これほどのハイパフォーマンスを得るには、やはり厳格な数値目標を定めて粛々と逮捕者が出るように日夜努力しているにちがいない。「月に平均二人は逮捕されるように」とかなんとか厳しいノルマがあり、管理職には猛烈なプレッシャーがかかっているのだろう。ご苦労さまなことだ。市民のために血の滲むような努力をしているわけであって、住民税の払い甲斐があるというものだ。
しかも、そのように上から言われていることを粛々と執り行っているだけではない。なにしろ、京都市の職員はモチベーションがちがう。先進的な民間企業のやりかたも積極的に取り入れているようだ。たとえば、不祥事で免職にした職員をほとぼりが冷めたころにこっそり雇い直すといった手法などは、JR西日本のような優良民間大企業から学んでいる。それにひきかえ、一万円札の束を燃やして、いたずらに二酸化炭素を増やしているという岐阜県などは、まったくもってけしからん。京都議定書をなんだと思っているのだろう。
逮捕者も、飲酒運転などといったせせこましい悪行で捕まっているのは、市の職員の中でも三下の部類に入る輩であって、こちらが声をかけても気づかぬほど熱心に新聞を読んで情報収集と自己研鑽に余念のない優秀な職員は当然国際感覚も豊かで、隣国からも積極的にノルマ達成のための手法を学んでいる。税金を使って覚醒剤の普及にこれ努めるなど、凡庸な頭脳ではとても思いつかない方法である。やはり北朝鮮から学んでいるにちがいない。他の自治体に出し抜かれぬよう、宮津あたりからこっそりと職員を研修に行かせているのではないかとおれは推測している。
まあ、京都市というのは、かくもモチベーションの高いパブリック・サーヴァントたちが、わが身を賭して古都の伝統と文化と市民の生活を守っているので、多少住民税が高いくらいで文句を言ってはならない。住めば都である。京都へ引っ越そうと考えている方々、ぜひお越しやす。
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