リアルすぎるヘヴンへようこそ
▼NHK、ドラマを修正して放送 殺人シーンがリアル (asahi.com)
http://www.asahi.com/culture/update/0831/009.html
NHKは30日に再放送予定だった連続ドラマ「鏡は眠らない」(全5話)の第3話に、少女によるリアルな殺人シーンがあったため、同日の放送を中止した。映像を修正して31日に放送した。場面のカットやセリフの変更はない。
NHK広報局によると、ドラマは97年に制作、放送されたが、最近の少年による殺人事件を連想させ、「今の感覚で見るとリアルすぎる」と判断した。第4話の殺人シーンも映像を修正する。
このニュース、こないだから気になってたのよな。おれはこのドラマ観てないけどさ。
「今の感覚で見るとリアルすぎる」ってのがすごい理由だなあ。当時は“こんなこと(どんなことかおれは知らんが)が現実に起こるはずはないと誰だって思うだろうから問題はないと誰もが同意するような荒唐無稽な殺人シーン”だったわけだろう? この九年のあいだに、それほど認識が変わってしまったということなんだなあ。たしかにそうかもなあ。おれ自身、そこいらへんの道端に人間の生首が転がっていたとしても、「そうしょっちゅうあることではなかろうが、まあ、たまにはそういうこともあろう」くらいの感覚になっちゃってるもんなあ。
そのうち、牧野修とか小林泰三とかの旧作が、「今の感覚で読むとリアルすぎる」などと言われるようになったりするのかもなあ。
| 固定リンク
コメント
以前、編集者と話をしたことがあるのですが、これは放送局側の自己規制が強くなったためだと思われます。たとえば刺殺するシーンでも、現在では刺すシーンそのものを描写することはできないそうです。
そう言えば、10年前ぐらいまでは普通に女性の乳首も描写されていたように思いますが、今では殆ど見ませんね。
投稿: 小林泰三 | 2006年9月 3日 (日) 16時28分
ふーむ、そういうことですか。
しかしアレですね、昨今ですと、猫の尻尾を摑んで振り回し電柱に叩きつけて殺すといったような描写が仮にあったといたしますと、環境大臣までがおせっかいにも口を出してくるということになるのでしょうかね?
投稿: 冬樹蛉 | 2006年9月 3日 (日) 16時35分
フィクションなので、いちいち環境大臣がコメントするとはないでしょうが、早い時間だとテレビ局側が難色を示すかもしれませんね。本物の猫でなければ、深夜枠なら OK な気がします。
ホラー大賞は角川とフジテレビ共催なのに、フジテレビが映像化したのは、『パラサイト・イヴ』だけというのも、この辺りの規制があったからという話もあります。基本的にテレビ放映できないものの映像化は難しいということでしょうか。
投稿: 小林泰三 | 2006年9月 3日 (日) 21時14分
|環境大臣までがおせっかいにも口を出してくるということになるのでしょうかね?
壊れた玩具を組み合わせて再利用して使うような小説なら環境大臣から何かコメントがあるのではないでしょうか?
投稿: 林 譲治 | 2006年9月 3日 (日) 21時23分
>小林泰三さん
『パラサイト・イヴ』は、死体の肝臓をちゃんと有効利用しているので、環境大臣にはウケがいいかもしれません。
>林譲治さん
あれはじつに地球に優しい小説ですしねえ。アメリカ人に読ませたいものです。
投稿: 冬樹蛉 | 2006年9月 4日 (月) 01時27分
ドラマじゃなくてドキュメンタリーならどうなんすかね。
見る人に対する影響と言う点では、どっちでも同じだと思うんですが。
投稿: おおじじ | 2006年9月 4日 (月) 23時17分
>おおじじさん
ドラマもドキュメンタリーも、テレビ番組になってる時点で、同じようなものだという気もしないではないのです。少なくとも、はっきりくっきり境目のあるものじゃなくて、同じ虚構性スペクトルの中に位置づけられるものだろうとは思いますね。
投稿: 冬樹蛉 | 2006年9月 5日 (火) 23時28分