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2006年8月21日 (月)

〈月刊 ASCII(アスキー)〉2006年08月号「完全保存版 パソコン30周年記念特別号」(アスキー)

 いやあ、懐かしいじゃございませんか。一冊まるごとパソコンの三十年史を振りかえるという渾身の企画である。これは増刊号ではない。通常号でやっているのだ。というのは、〈月刊アスキー〉は、これを最後に“パソコン誌”を卒業し、ドメインを変えた新たな雑誌となる(報道によれば、ビジネス雑誌らしい)そうで、パソコン誌としての最後のけじめに、この企画を放ってくれたわけだ。むかし毎号買ってたころもあったけど、もはやたまに本屋で立ち読みをする程度で、すっかり疎遠になってしまっていた。休刊になるわけではないにしても、ひとつの時代が終わったという感じで、パソコンと切っても切れない商売で飯を食ってきた者としては、それなりの感慨がある。

 巻頭の「伝説のパーソナルコンピュータ100+」は写真をふんだんに使い、懐かしいパソコンたちの姿が拝める。中でも「モバイルの源流 プチDOSマシン」は懐かしい。「FMR-CARD」「Massif」「Quaderno」……ああ、あったあった。もちろん、名機「HP200LX」も、その雄姿が“プチDOSマシン”の中ではいちばん大きく載っている。というか、おれ、こいつを高機能電卓としてはいまだに愛用してますけど。

 「パソコン業界 あの事件を追え!」という記事では、調べるとなるとなかなかたいへんにちがいない業界三十年史のトピックがさまざまな切り口の年表でまとめられており、技術史的にもマーケティング的にも価値ある資料となっている。“完全保存版”と謳っているのは誇大な表現ではない。IT業界に身を置く人であれば、資料として持っておいて損はないだろう。

 付録のDVDも豪華。(1)2005年1月号~2006年7月号の特集を収録「特集まる読みPDF」(2)そのときどきの対立関係からみたPCの歴史「時代が見える対決特集 この4本!」(3)月刊アスキー定番の超人気技術解説連載記事を18本収録!「テクノロジー記事ベストセレクション」(4)24年分1万オーバーのニュースが見られる「ASCII Express ARCHIVES '77/07~'00/11」(5)iPod や iMac の登場の瞬間を見ることができる『「アップル社 取材ビデオ」お蔵出し!』が収録されている。とくに(4)は、パソコン関係のニュースばかりではなく、その年の主な出来事が添えられていて、時代の空気を思い出すのに便利だ。たとえば、「11月 東京・世田谷区の世田谷電話局近くで地下通信ケーブル火災。三菱銀行オンラインシステムなど電話約9万回線不通」という事件があった一九八四年の〈月刊アスキー〉6月号には、「パソコンの対ソ輸出規制」なんてニュースが出ている。時代だねえ。このころ、おれはなにをしていたかなあ……?

 おれたちみたいな年寄りがむかしを懐かしがるだけじゃなく、人生の最初からパソコンがブラックボックスとしてそこにあった若い人にも、ざっと歴史を知るのによい資料だと思う。



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