静かな勝利
▼阪神支局襲撃19年 礼拝所に市民ら340人 (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0503/OSK200605030041.html
記者2人が殺傷された朝日新聞阪神支局襲撃事件から19年たった3日、兵庫県西宮市の旧局舎跡地に新築された阪神支局1階に故・小尻知博記者(当時29)をしのぶ拝礼所が設けられ、市民ら約340人が手を合わせた。
四年前、この事件の時効が成立する直前、おれは、「もし殺された小尻記者が、よくも悪くも増殖してゆくいまのウェブページの隆盛、インターネットの繁茂を知ることができたなら、きっと声高らかに笑って大いに喜んだにちがいない。小尻記者は勝ったのだ」と書いた。いまもその考えは変わらない。その後に登場したブログというものが、赤報隊とやらのアホさ加減をよりいっそう浮き彫りにしている。おまえらを非難、批判しているブログの主を、ひとり残らず殺してまわれるものならやってみるがいい。
いま一度、おれは同じ言葉をここに捧げたい――「小尻記者は勝ったのだ」と。小尻記者が新聞記者として現役であったころに比べて、世の中は悪くもなったし、よくもなった。少なくとも、言論の自由に関してだけは――その技術的基盤に関してだけは、世界はかなり前に進んだと思う。いまは小学生でも自分の意見を世界に向けて発信できるのだ、それは誰にも止められないのだと、小尻記者に教えてあげたいものだ。“群集の叡智(the wisdom of crowds)”を信じない人が、新聞記者になろうと思うはずがないのだし、また、なってはならないのだから。
| 固定リンク
コメント
そうですよねえ。いまが人類史上最もマシな時代であることは疑問の余地がありません。そのことをみんなもっと自覚すればいいのになあ。
投稿: 野尻抱介 | 2006年5月 5日 (金) 00時54分
>野尻抱介さん
「人々を変えるものに 人々は気づかない」(松任谷由実「VOYAGER~日付のない墓標」)というのは、ほんとにそうだなあと思います。気づいたときには、変わってしまっていますからね。
投稿: 冬樹蛉 | 2006年5月 5日 (金) 07時26分
申し訳ありません。トラックバックというものをやってみたらものの見事にダブってしまいました。昨日始めたばかりの初心者ですので何卒
ご容赦のほどを・・・
投稿: 村上 | 2006年5月 5日 (金) 19時20分
>村上さん
いえいえ、トラックバックがダブるのはよくあることです。とくにココログは最近調子悪いので、うまく送れないこともあるようで。ひとつ消しておきました。
投稿: 冬樹蛉 | 2006年5月 5日 (金) 19時31分