洞口依子をひさびさに観る
『ドレミファ娘の血は騒ぐ』(監督:黒沢清/1985)なんて懐かしいものをGyaOでやってたので(6月5日正午まで)、十数年ぶりくらいで観てしまう。まったくGyaOってのは、中年の映画好きにとっては時間喰いですな。いま観ると、なんとも空疎な映画だ。空疎だから駄作ってんじゃなくて、あの時代がそもそも“空疎で満ち足りていた”ような時代だったんだから、よく時代を映していると言える。そうだよなあ、八十年代の大学ってのは、ホント、あんな感じでしたなあ。洞口依子のデビュー作で、まあ、若いころの洞口依子が観たくなったというのもある。伊丹十三の怪優ぶりも楽しい。R18指定だから、お子様は観ちゃだめだよ。おれは伊丹映画で洞口依子を初めて観て“好きな女優リスト”に加え、『ドレミファ娘……』はたしか九十年代になってからテレビで観たのだったと思う。この映画は、伊丹十三と洞口依子の馴れ初め作品でもあるわけだ。
そういえば、大病をしてからの洞口依子はどうしているのだろうと検索してみたら、なんと先月から新しいブログ(以前もやってたみたいだが、そっちは閉鎖して新しいのをはじめたみたいだ)「洞口依子の独り言『がんって何様的日記』」がはじまったばかりだった。たまたまおれが観る番組に出てこないだけで、女優業もぼちぼち再開しているようだ。貴重な女優が戻ってきてくれて嬉しい。マイペースで息の長い女優活動を続けてほしいものである。RSSを受けるようにしておこう。伊丹十三がああいう不幸に見舞われなかったら、洞口依子のフィルモグラフィーもまた少しちがったものになっていただろうと思うと、言っても詮ないことだが、両者のファンとしては、とても残念だ。
ほぼ同年輩の人ががんばっているのを見るのは、ものぐさなおれにでも、いつでも励みになる。みんな四十あたりから身体を壊しはじめるから、おれもあんまりがんばりすぎん程度にがんばらねばな。
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