これはいい! 「伊東四朗の歌謡曲100プラス」
どうも最近GyaOの宣伝をしているかのような日記でアレなんだが、テレビの視聴時間が減り、GyaOの視聴時間が増えているのは厳然たる事実なのである。GyaO以外にも、ネットの番組を観ることが多い。ここ一年ばかりのあいだに、無料で観られるコンテンツの幅がぐんと広がったというのが実感だ。
で、連休中、酒食らいながら涙をちょちょぎらせて一緒に唄ってたりした(酔っ払いめ)のが、「伊東四朗の歌謡曲100プラス」である。伊東四朗・木の実ナナ・南こうせつ・片岡鶴太郎・清水ミチコ・小西良太郎という豪華メンバーが、カフェバーに集まって昭和の歌謡曲を百曲、あーでもないこーでもないと駄弁ったり唄ったりしながら選んでゆくというだけのもんなんだが、まるで彼らのカラオケパーティーに参加しているかのように楽しい。ギターを取り出した南こうせつが、生「神田川」(つっても、こっちはネットで観てるわけだが)を披露したり、おもむろにピアノを弾きはじめた清水ミチコが生「卒業写真」(つっても、こっちはネットで観てるわけだが)を熱唱したりする。まあ、少なくとも三十代後半以上の年齢層でないと楽しめないだろうけどね。おれより二歳上の清水ミチコ(一九六○年生まれ)がメンバーの中ではいちばん若いので、おれの年齢では想定視聴者より少し若いのかもしれないのだが、おれは幼いころ近所に住んでいた祖母や伯母に古い歌謡曲をけっこう仕込まれている。母親が内職しながら小林旭やら美空ひばりやら松尾和子やらなにやらを聴いているのをBGMに育った。だもんだから、おれにはこのメンバーの駄弁りがたいへん楽しく懐かしく思えるのである。いやホント、歌謡曲好きにはたまらない番組ですよ、これは。
こういうのはテレビでは難しいだろうし、テレビでやるべきものでもないよね。視聴者それぞれが、都合のよい時間に勝手にオンデマンドでゆっくりと寛いで視聴するものだ。しかも、この番組は内容が内容だけに、USENの元々の本業そのものなのである。惜しむらくは、この番組をほんとうに楽しめる伊東四朗くらいの年齢層の人は、まだまだ日常的にGyaOなど視聴していないのではないかと思われる点なのだが、だからこそこういうコンテンツがどんどん提供されるべきだとも言える。おれは身体が弱ってきた年寄りこそがネット社会の恩恵を受けられるようにすべきだと思っている。USENにしてみれば、利用者の年齢層を広げようという当然の動機からこういう番組を企画するのだろうが、ネット社会全体の発展にとっても、たいへんよいことである。婆さんが生きてたら、酒飲みながら(婆さんは飲まなかったが)一緒に観たかったと心から思ったね。
伊東四朗くらいの歳のお父様・お母様をお持ちの方は、インターネットでこんなのやってるよと教えてあげよう。なに? うちのオヤジはパソコンが使えない? じゃあ、これを機会にプレゼントして、GyaOの観かただけでも教えてあげてはいかがだろうか。数か月後、田舎の親父がやたら最新の洋楽に詳しくなっていた――なんてことになったとしても、当局は一切関知しないから、そのつもりで。成功を祈る!
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