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2006年4月29日 (土)

利害の一致

横田さん親子、米大統領と面会 拉致解決協力を訴え (asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0429/TKY200604280381.html

 純プラグマティックに考えた場合、今回のことはよかったと思う。北朝鮮に脅威を覚えさせるのには有効だろう。横田早紀江さんのガッツには、いつ見ても頭が下がる。おれの母親より年上なんだからなあ。

 が、「国際社会からの尊敬を得たいのであれば、人権を尊重すべきだ」などとほざくブッシュ大統領には、「おまえが言うか~!」とツッコミたくなるのはおれだけではないだろう。「人権を尊重し、自由社会を実現させることを、私は強く保証する」ですかー。ほー、そうですかー。人権を尊重し、自由社会を実現させるためには、たいした理由もなくよその国に攻め込んで多少の犠牲を払うくらいはなんでもないほどに、ブッシュ大統領は人権の尊重と自由社会の実現にオブセッションを抱いているようだしね。ブッシュ大統領の言う“人”権というのは、正確には“キリスト教徒の白人”の権利という意味なんじゃなかったけか?

 ともあれ、支持率がガタ落ちになっているブッシュを効果的に利用するのはいまがチャンスではあるだろう。ブッシュだって、横田早紀江さんたちを利用しているつもりなのだろう。いわゆる win-win の関係にある。釈然とはしないが、人権を尊重し、自由社会の実現を“保証”するわれらが大統領に、とりあえずバンザイ。

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コメント

いつも楽しく拝見させていただいております。

私はイスラムの国が"核"を持つことに大変に脅威を感じます。
ブッシュ大統領アメリカ政権の、方針・指揮は
遠い遠い将来を考えた場合、間違いではないのかと思うのです。

他のやり方がもし存在するのであればそちらを支持したいのですが、
そうも言っていられない(人間社会の限界に来ている)のが
実情ではないかと思います。

もちろん、戦争は反対です。
最前線に立つほどの肝っ玉も持ち合わせておりません。

ただただ、遠い将来、9.11の背景から想像が容易になってしまった、
東京上空に核弾頭が落ちてくるのが怖くて怖くて
しょうがないだけです。

投稿: 佐藤 | 2006年4月29日 (土) 21時49分

>佐藤さん
>ブッシュ大統領アメリカ政権の、方針・指揮は
遠い遠い将来を考えた場合、間違いではないのかと思うのです。

 私はむしろ、近い未来を考えた場合には、それなりの正当性を持つ方針ではないかと思っています。しかし、私にはそれは、単なる冷戦時代の相互確証破壊による危うい抑止力に依存したガラスのような平和に見えます。

 核が存在するかどうかが脅威なのではなく、互いの存在を認め合わない不寛容が脅威の根源なのであって、ひとつの価値観で世界を塗りつぶしてしまおうとする姿勢からは、どんな形であれ、常に相互破壊しか生まれないだろうと思います。

 ブッシュ的なやりかたを容認するならば、いずれかの未来に東京上空に落ちてくる核弾頭は、アメリカ製であってもまったく不思議ではないように私は思えるのです。

投稿: 冬樹蛉 | 2006年4月30日 (日) 04時18分

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