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2006年3月26日 (日)

カエルの声で遊ぶ

 ぼーっと考えごとをしたりするときなどに愛聴している『「声の図鑑」蛙の合唱 山渓CDブックス[6]』(録音・蒲谷鶴彦・前田憲男/写真・前田憲男/山と渓谷社)付属のCD(といっても、iTunesにぶちこんである)なんだが、今日聴いていて、ひとつ遊びを開発した。

 カエルの声なんだから、なんの加工もせずに聴くのが本筋であろうという狭量な決めつけを、おれはいままでほとんど意識することもなくしていたのだけれども、どのみちCDになっている時点で、“ナマの自然の音”なんてものではあり得ないわけだ。じゃあ、というわけで、戯れに iTunes のプリセットイコライザをカエルの声にかけてみたら、これがけっこう面白いことに気づいた。Acoustic をかけると、渓流で聴いているような臨場感が出る。とくに、複数の種類のカエルがいっせいに鳴いている野外録りなどでは、なかなかいい感じだ。Vocal Booster をかけると、粒立ちがよく、目の前でカエルが鳴いているかのような声になる。一匹一匹、一種一種の声を楽しむのに向いている。そりゃまあ、一応ヴォーカルといえばヴォーカルだしなあ。

 カエルの種類によっても、合うイコライザ設定と合わない設定とがある。カジカガエルニホンカジカガエルモリアオガエルニホンアカガエルなどには、Treble Booster が効果的で、じつに美しい。ウシガエルには、むろん Bass Booster がよく、重低音がたまらない。トノサマガエルトウキョウダルマガエルには Pop が合うのに、なぜかダルマガエルには R&B が合うように感じられる。ツチガエルには Hip-Hop が、ニホンアマガエルには Classical が合う。発声時間が短いため、はっきりとしたちがいは聴き取りにくいのだが、ちょっと変わりダネのオットンガエルには、Electronic が適しているような気がする。

 加工したほうが、より“自然らしさ”が出るってのも、人間の認識という営為について考えさせられ、なかなかに興味深いものである。カエラーの方は、ぜひ一度お試しあれ。

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