生きていた脳
こういうものがあるとは聞いたことがあったのだが、最近、行きつけのコンビニで堂々とお菓子として売っているので、試しに買ってみた。怪しいネーミングだよなあ、「頭脳パン」。なんとなく、センスが小林泰三的である。『「頭脳パン」とは、小麦粉100gあたりにビタミンB1を0.17mg以上含んだ「頭脳粉(小麦粉)」で作ったパンです』などと書いてある。「頭脳粉」ってのがこれまた、たまらなく胡散臭いネーミングだ。人間の脳髄を乾燥させて挽いたような感じである。やっぱり、小林泰三の世界だなあ。
はっきり言って、肥りすぎの乾パンとも、できそこないのカステラともつかぬ奇妙な食感で、それほどおいしいものではない。栄養はあるのだろうが、むやみにカロリーが高い。でも、食いはじめると一気に食ってしまう不思議な魅力がないでもない。だが、これを“パン”と呼ぶのは、いくらなんでもパンに失礼である。パンのようでパンでない……“模倣パン”とでも呼ぶのが適当ではないかと思うのだがどうか。
それにしても、こんなものが流行っているとは知らなんだ。ずいぶんむかしに話には聞いたような気がするんだが、関西のほうでは全然見なかったぞ。それがいまこうしてコンビニで売られているんだから、そこそこブームにはなっているのだろうか。もちろん、こんなものを食ってめきめき頭がよくなることなど微塵も期待していないが(脚気の予防にはなるかもしれない)、この独特のノリが面白いといえば面白い。伊藤製パンってところのが有名みたいだ(ここいらでは聞いたことない会社だなあ。埼玉かあ)。『「頭脳パン」シリ−ズ』とか「頭脳パン講座」とかいったページを眺めていると、そこはかとないいかがわしさにわくわくしてくる。むかしはこういうわけのわからないものが、駄菓子屋にたくさん並んでいたよなあ。
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コメント
頭脳パンは慶應大学のとあるセンセイがその昔、考案したものです(パッケージに由来が書いてませんか?) なので、慶應の大学生協ではいっつも置いてある、比較的メジャーなアイテムです。コンビニに置いてあるのを見たときには驚きましたが。
とはいえ生協で売られているのは、ふつうのコッペパンとの違いがわかりません。
ちなみにその「慶應大学のとあるセンセイ」とは誰であろう木々高太郎です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E3%80%85%E9%AB%98%E5%A4%AA%E9%83%8E
投稿: 向井 | 2006年3月21日 (火) 14時25分
え、高校の時、学校に出入りのパンやさんのメニューにありました「頭脳パン」。つまり、四半世紀ほど前ですが。けっこう大きくて、そこそこおいしかった覚えが。。。
投稿: BTo | 2006年3月21日 (火) 16時50分
>向井さん
パッケージにはなーんの説明もないので、ググって伊藤製パンのページを見つけたのです。「頭脳パン講座」には、由来が書いてあります。それにしても、慶應の大学生協には、やっぱり置いてあるんですねえ。世間的には、いくらなんでも「メジャーなアイテム」ってところまではいかないと思うのですが(^_^;)。
>BToさん
このコンビニで売ってるやつは、頭脳粉を使っていても、ちょっとパン自体の製法がちがうみたいです。ミルクとか蜂蜜とかが練り込んであるようです。ふつうに大きなパンにするとおいしいのかもしれません。小さいと、どうもふわふわ感がないですね。
投稿: 冬樹蛉 | 2006年3月21日 (火) 21時07分