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2006年3月12日 (日)

『フジアキコ物語 〜ウルトラマン撮影秘話〜』(長谷川光司、原案・桜井浩子/KADOKAWA COMICS 特撮A)

 ウルトラなおやじたちは、フジ隊員桜井浩子)派とアンヌ隊員ひし美ゆり子)派に分かれるものであるが、おれは断然フジ隊員派である。というか、江戸川由利子派というか……。

 それはともかく、「ウルトラマン撮影秘話」とあるけれども、本書は、ウルトラマンの撮影現場にいた人々をあくまでフィクションのキャラクターとして設定し、フジアキコ隊員(桜井浩子ではない)を当世風の“萌えキャラ”に仕立て上げ、彼女を中心としたドタバタを一話読み切りの連作シリーズとして描いたコミックだ。八話収録されている。事実(史実?)とフィクションがないまぜにしてあるので、各話にひとつふたつは紛れ込ませてあるという“ほんとうの撮影秘話”を推測しながら(ウルトラおたくな人は、見破りながら)読むという楽しみがある。

 はっきり言って、わくわくどきどき、ページを繰るのももどかしいという“面白い”作品ではない。が、ウルトラなものが好きないい大人にとって“楽しい”作品になっている。どうも、いつもどちらかというとアンヌ隊員ばかりが脚光を浴びているのが愉快でないフジ隊員派にとっては、フジアキコ隊員が萌えキャラ風にマンガ化されているだけで嬉しいではないか。

 さらにさらに、ネットで書影を見ている人にはわからないサービスとして、この本の腰巻には、スーパーガンを構える若き日のフジ隊員の姿がカラーで載っているのだ。ヨシナガ教授じゃないから安心するように(をい)。たしかにアンヌ隊員は子供の目にも明るく肉感的であったが、やっぱり見るからに暗いフジ隊員の憂いを帯びた声と知的な目のほうが断然いいでしょう。巻末には、桜井浩子直筆のコメント付き。

 ええ、どうせおやじにしかわからなくていいですとも。いったいどういう人々がこの本の想定読者層なのかよくわからんけど、子供のころ、フジ隊員にほのかな恋心のようなものを抱いていた四十代以上のおじさん(というのは手前のことだ)も想定されてはいるかもしれない。『ウルトラマン』のDVDをお子さんと一緒に観ているお父さんにはお薦め。

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コメント

 私も読みました。私はフジ隊員のでたらめぶりよりも、ハヤタ隊員やムラマツ・キャップのキャラクターが好きです。
 こういう雰囲気のマンガ、とても好きなんですよ。個人的にはウルトラマンものであるということを別にしてもお気に入りのひとつになってます。

投稿: 東部戦線 | 2006年3月12日 (日) 21時11分

>東部戦線さん

 フジ隊員に殴られたり蹴られたりしているウルトラマンや怪獣も可愛くていいです。

投稿: 冬樹蛉 | 2006年3月12日 (日) 23時53分

こんにちは。
大道芸観覧レポートという写真ブログをつくっています。
桜井浩子さんが出ている昔の広告もとりあげています。
よかったら、寄ってみてください。

http://blogs.yahoo.co.jp/kemukemu23611

投稿: kemukemu | 2007年1月23日 (火) 22時05分

>kemukemuさん

 うわあ、これはすばらしいですね。昭和三十八年のユリッペですかー(って、そのときはまだユリッペじゃないけど)。私はまだ赤ん坊(^_^;)。昭和三十七年生まれですから。

 いやしかし、桜井浩子の広告だけじゃなく、すごいサイトですねー。貴重な史料だと思います。kemukemuさんは、町田忍さんのお仕事とか大好きでいらっしゃいませんか? さっそくRSSフィードをリーダに登録しましたんで、これからもちょくちょくお伺いさせていただきます。

投稿: 冬樹蛉 | 2007年1月24日 (水) 01時34分

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