《ご漬け》シリーズ
なんかテレビでしょっちゅうCMをやってるニンテンドーDS用の『えいご漬け』ってソフトが売れてるみたいで、おれの妹が先日来たときも、DSを持っている姪たちと「買おうか」などと相談しているという話をしていた。そういえば、正月に姪が『もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング』をうちに持ってきて、婆さん(というのはおれの母だが)が孫に無理やり「ぱぁ、ぱぁ、ちょき、ぐー、ぱぐー、ぐぁあ、ちょわー!」とか言わされていた。ボケ防止にはいいかもしれん。おれもやらされたが、おれの脳年齢は松嶋菜々子より上だった。まあ、マイクの感度が悪いのだろう。そうにちがいない。
それにしても、妹よ、おまえ、英語はおろか、日本語だってなんだって、とにかく勉強と名のつくものは大嫌いだったじゃろうが。そんなおまえが「えいご漬け」って、うーむ、ゲームおそるべし。なんで子供のころに、学校のアレはアレでゲームであって、ほんとうの“勉強”はもうちょっと別のところにあると気づかなんだかね? ま、ほんとに買うのかどうか知らんけど、四十過ぎたおばさんが、むかしやり損ねたことを娘と一緒に遊びながらやるのも、傍目にはなかなか微笑ましくてよい。少女老い易く学成り難し、大タコに教えられアーサー・C・クラークと、むかしの人も言うておる。
しかし、ああいうのが売れるんなら、『らくご漬け』とか作ってほしいよな。米朝やら春團治やらを“聴き取り”ながら、スクリーンにテキストを書いてゆかねばならんという過酷なゲームだ。なにせ落語だから、きっと漢字とか難しいぞ。読めても書けないぞ。枝雀のも入っていたら、『えいご漬け』と『らくご漬け』の一石二鳥である。
漢文が勉強できる『ろんご漬け』、十八禁の『わいご漬け』『いんご漬け』、あなたも政治家になれる『もうご漬け』なんかもいいな。わかる人にはわかる『なっちご漬け』なんて高度なゲームとなると、大量の洋画を観ながら翻訳して字幕を書かされにゃならんかもだ! トレッキーのための『くりんごんご漬け』、森岡浩之監修の『あーう”ご漬け』などのシリーズ化も期待したい。
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