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2006年1月 4日 (水)

『古畑任三郎ファイナル 第2夜』

 『古畑任三郎ファイナル』の第2夜は、イチローが本人役で出演することで話題の「フェアな殺人者」。まあ、これは箸休めだろうと思っていたとおりの凡庸な作品だった。詰めは、コロンボで言えば「逆転の構図」そのまんまである。“嘘をつかない犯人”というのは、以前「笑わない女」で沢口靖子がやったけれども、今回のイチローも“ほぼ嘘をつかない犯人”という設定。さすがに沢口靖子のときと同じ落としかたはできない(あれは一回だけ使える手として、たいへん斬新だった)。結局、ありがちな罠で逃げたか。

 とはいえ、見どころがなかったわけではない。イチロー、やるじゃん。本人を演じているとはいえ、下手な役者よりよっぽどサマになっている。歴代の犯人で最も演技が下手だったのは、たぶん笑福亭鶴瓶だと思うが(だもんだから、劇画みたいなカット割りでコミカルに撮ってしのぐしかなかったのだろう)、少なくともイチローは鶴瓶には勝っていると思う。さすが、大ファンを自認するだけのことはあった。DVDが擦り切れるほど(?)観てるんだろうねえ。

 さあ、明日の第3夜では、はたして“赤い洗面器を頭に乗せた男はなんと言ったのか”(「さよなら、DJ」/犯人:桃井かおり/1994)という、足かけ十二年の謎は解けるのか?



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