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2005年11月17日 (木)

やけっぱちのサーヤ?

 紀宮おたく説というのは小耳にはさんではいて、都市伝説じゃないのかなあ、でも、見るからにおたくっぽいもんなあと、真偽のほどはよくわからんかったのだが、本人がケツをまくってコスプレをしたとなると、やっぱりそうだったのかと納得せざるを得ない。いや、なんかあちこちの日記で「あのドレスは『カリオストロの城』のクラリス」って話が出ていて、うーむ、やっぱりそうなのかと妙に感心してしまったのだ。なかなか痛快なユーモアセンスと言えよう(ちゅうか、ほんとにただやりたかっただけだったり……)。おれは皇室にはまったく興味がないのだが、おたくだったとなると、少しは親近感が湧くというものだ。

 なんというか、皇室というのは、おれには祇園祭みたいなものに見えている。祇園祭を見るたび、伝統を守るというだけのためにあんな面倒くさそうなイベントを年に一回執り行わなければならない家の人たちが気の毒で、「ああいうややこしいところに生まれなくてよかったなあ」と思ったりするわけである。祇園祭は年に一回だが、皇室ってのは、要するに四六時中祇園祭をやっているようなもので、“尊崇の念”とやらはさっぱり湧き起こってこず、ただただ気の毒だなあと思うばかりだ。

 黒田夫妻はそのうち新居のマンションに引っ越すという話だけれども、おれみたいな人ばかりならいいが、そのマンションの住人にそれなりに“尊崇の念”をお持ちの人が多かったら、そりゃあ、肩が凝ってかなわんだろう。「もうふつうの市民だから」と言われたって、はいそうですかというわけには行かないでしょー。

賎の女「まことに僭越至極、恐縮ではございますが、かかか回覧板などお持ちいたしましたれば、ごごごご高覧を賜りますよう、お、おおおおお願い奉りますです、はいです。恐慌謹言」

サーヤ「それはそれは、ごくろうさまです。よって件のごとし」

 ……みたいな会話が日常的に繰り広げられるのではあるまいか。

 そしてそのうち、あの夫婦が近所のコンビニで食玩を物色しているところとかが週刊誌に載ったりするのにちがいない。「おもいッきりテレビでも紹介! 話題の○○パワー!」「あるある大辞典で……」「ためしてガッテンで……」などと縁取り蛍光ペンで手書きしてあるポップに、「黒田夫妻絶賛!」「サーヤも思わず大人買い!」なんてのが加わる……かもな。

 待てよ。考えてみれば、場所の名で以て、そこに縁の人物を婉曲的に指すといった言葉遣いは、「紀宮」も「おたく」も同じようなものではあるまいか。うん、そういうことにしておこう。

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