京ぽちゃん
いやあ、笑うた笑うた。どちらかというと、たいへん不幸なことがおれの身に降りかかったのだが、それでも笑わずにはおられない。
朝起きたおれは、ベッドサイドに積んである本の上に置いてあるケータイを掴み、朦朧とした頭でパソコンの上の充電器にセットしようとした。そこで手が滑った。ケータイは充電器を外れて滑り落ちた。
ぽちゃん。
なんと、ケータイは、パソコンの横に置いてあった湯呑みの中に、狙ったように吸い込まれたのであった。けっこうでかい湯呑みではあるが、よくもまあすっぽりと落ちたものだ。
あわててケータイを引っ張り出したが、運の悪いことに、飲み残しの茶がかなり残っていた。いかん。見ると、ケータイの画面が乱れている。
おれはすぐさまティッシュでケータイを拭き、電池を取り出してさらに水気を切った。しばらく乾かしてから、再度電池を装着し、電源を入れてみた。が、何度やってもケータイは意識を取り戻さない。あちゃちゃちゃー、お亡くなりになったようだ。
というわけで、修理中にショップが貸してくれる代替機(もちろん京ぽんだ)をいま使っているのである。さいわいアドレス帳とブックマークのバックアップは取ってあったから、失われた貴重なデータはほとんどなかった。いま代替機にデータを転送したところだ。数件はアドレス帳から失われているかもしれないが、ケータイにしか保存されていないデータではない。
水死したおれの京ぽんは、一週間から十日くらいで戻ってくるそうな。まあ、基盤交換でしょうなあ。ショップの店員が言うには、「いやあ、そんな事故は初めてですねー」って、おれだって初めてだ。ふつう、水に浸けて壊す場合、トイレとか洗面所とかに落とすものだろう。湯呑みに落とした人がほかにいたら、一緒に稀有な不運を笑い飛ばしましょう。どわははははははははは。いやあ、世の中、なにが起こるかわかりませんなあ。
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