米アマゾン「短篇バラ売りはじめました」
amazon.com が短篇小説等のバラ売り「amazon shorts」をはじめたというので、どういうものなのか、さっそく利用してみた。
「Literature & Fiction」の品揃えを見て、ちょっと感心。目下のラインナップ十八篇の中に、マイクル・スワンウィック、ルーシャス・シェパード、テリー・ビッスン、エスター・M・フリーズナー、ジャック・ダンといった面々が作品を寄せている。SF作家・SF周辺作家率が異様に高い。「Nonfiction & Essays」のカテゴリにも、ロバート・シルヴァーバーグ、ガードナー・ドゾワ、ジョー・ホールドマンがいる。やっぱり、SFまわりの作家・編集者たちは、こういう出版形態に関心が高いのだろうねえ。新しもん好きというか。
ためしにテリー・ビッスンの「Special Relativity」を買ってみた。まだちゃんと読んでないけど、ざっと眺めたところでは、まあ、これが缶ジュース半分の値段であればリーズナブルでありましょう。ここで売ってる作品は、“amazon shorts でしか読めない”のがウリだそうで、なるほど、それなら妥当な値段かなと思わせる。
フォーマットは以下の三種。
・デジタルロッカーという領域に半永久的に保存してくれるので、それをブラウザで開いて読む。
・PDFをダウンロードする。
・アマゾンのアカウントのeメールアドレスにプレーンテキストをシステムから送信する。
パソコンでもPDAでもケータイでも、上記から都合のよいフォーマットが選べる。また、一度買ってしまえば上記の三種のフォーマットを何度でも利用できる。京ぽんなどのフルブラウザ搭載ケータイなら、デジタルロッカーが便利。実際やってみると、ちゃんとHTML化されたテキストが読めた。ケータイ本体に保存しなくてよいから、定額料金コースの人なら、短篇小説を持ち歩いているのも同じだ。パソコンやPDAなら、PDFがいいだろう。短い作品なら、eメールとしてケータイで読むのも可能だが、老眼にはちょとつらい。
さーて、また便利なものが出てきたもんだが、日本のアマゾンが同じことをやるのかどうか、注目ですなー。それと、アメリカのアマゾンで、これがどのくらい発展するかだね。これだけのシステム投資ができるアマゾンに寡占されてしまうと、ほかのe出版サイトに影響が出るかもだ。
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