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2005年6月 4日 (土)

行くとこまで行け『ウルトラマンネクサス』

 いやあ、思い切り上げといて突き落とす、心理的残酷シーンが光りますなあ、『ウルトラマンネクサス』。松永管理官の娘が記憶を消されるシーンはみごとでした。こりゃあ、子供にウケんわ。というか、子供は怖がって泣くわ。

 おれは、作り手の大人と一部の大人の視聴者だけが喜んでるような“子供向け”作品に対しては、「大人が見ると面白いけど、やっぱり子供番組なんだから、そこんとこ外すのはいかがなものか」といった苦言を呈することが少なくないが、もうええわ、『ウルトラマンネクサス』は、これはこれで見上げたもんである。ここまでやるんなら、もう、どんどん行け! どうせ打ち切りだ、子供ごとき(笑)からウルトラマンを取り上げて、存分に大人の好き勝手をやってみせてくれ! っつっても、もう撮影終わってるけどね。

 なにしろ、『ウルトラマンネクサス』で人類のために闘っている人たちは、誰にも感謝されることがないどころか、憎んでさえもらえない。彼らの活動は、“なかったこと”になっていなければならず、“なかったこと”にするのが彼らの仕事なのである。せつない。これで子供に人気が出たらびっくりだ。まあ、わかる子供もおるだろうけど、こういう正義の味方は、子供にはあまりに重すぎるだろうなあ。

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