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2005年5月 3日 (火)

会社員の鑑

 例の脱線列車に乗り合わせていたJR西日本の運転士二名が、救助活動にも加わらずにその場を立ち去り、そのまま勤務に就いていた件が報道され、非難されているようだ。JR西日本は、当人たちと上司を処分すると記者会見で明言した。

 ちょっと待て。マスコミが非難するのはええわい。JR西日本が彼らを処分するのはおかしいではないか。彼らは会社が日ごろ彼らに求めている行動指針の優先順位に従って行動しただけだ。すなわち、大阪支社長が示したように、「稼ぐ」が一番、「安全輸送」は二番、三時のおやつは文明堂である。

 皮肉を言っているのではない。一応、彼らはJR西日本社員として、正しいことをしているわけである。会社員の鑑ではないか。もし、彼らの行動が世間に非難されているなら、JR西日本の経営陣が、「彼らは私らの指導に従って行動しただけでございます。私らの指導がまちがっておりました」と自分たちを処分すべきではないか。経営陣は、件の運転士たちをかばってやらねばなるまいに。それを、会社の方針に合わせて行動した社員を、世間に非難されたからといって、はいそうですかと処分しようとするとは、おまえら、それでも経営者か。この一連のやりとりを見ているJR西日本社員は、それはそれは情けない、憤ろしい思いをすることだろう。JR西日本の経営陣は、事故後にいろいろ情けないところを見せているが、今回のこれこそは、社員にとっては決定的だと思うな。完全に会社に裏切られたと思うだろう。これをやったらあかんわ。おれが社員やったら、キレるわ。

 と、ここまでは、あくまで“スジ”の話。

 で、この運転士たちに言いたいのだが、あんたら、会社員の鑑でいるのもたいがいにせえよ。会社の方針以前に、人間としての優先順位ちゅうもんがあろうが。会社があきらかにまちがっておったら、会社に逆らえ。会社に向かって弓を引け。冷飯は食わされるかもしれんが、世間は味方してくれるぞ。どこかでどこかでちゃんとエンジェルが見とる。

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