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2005年4月 7日 (木)

多けりゃいいってもんじゃない

 桜の花が嫌いなわけではないのだが、ソメイヨシノばかりがこれでもかこれでもかとみっちり植えてあったり(“生えている”のではない)、ずらりと並木になっていたりするような場所は、どうも慌しくて苦手である。というか、ソメイヨシノは度を越すと下品だ。なんかこう、磯野貴理子と出川哲郎と松野明美の座談会みたいな気がする。落ち着かない。

 いかにも殺風景な枯れた風情の山寺のようなところに、そこだけぱっと明るくなっている感じで咲いている類の桜がよい。なぜか朝の通勤電車に乗っている吉永小百合みたいな感じがよい。ソメイヨシノじゃなくて、どこか野趣を残したヤマザクラ風のものがよい。お酒は発泡酒じゃなくて、温めの燗がよい。肴はあぶったイカでよい。

 パチンコ屋の開店じゃあるまいし、どうもあまりにも下品なソメイヨシノの物量攻撃を見ると、「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」って在原業平の歌も、現代ではちがった解釈をしたほうがよいのではないかとさえ思えてくる。つまり、楽しみな桜が気になってしようがないという意味ではなく、下品な桜が目にうるさくて正直かなわんという意味に取ったほうが、いまの世には適当ではあるまいかと思ったりするのである。

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