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2005年4月の23件の記事

2005年4月30日 (土)

本音と建前とコンプライアンス

 死人に口なしだから、なんとも確認のしようがないわけだけれども、たぶんおれ以外にも同じようなことを考えた人がいるだろうと思うので、一応、書いておこう。

 いや、例の脱線事故だが、一種の“無理心中”であった可能性も皆無とは言えないのではないか。あの運転士は、前の駅でオーバーランした時点でかなりパニクっていて、裏技のオーバースピード状態からあのカーブに差し掛かるとき、「なあに、70キロにまで落とさなくとも、そんなに簡単に脱線するものか。正確には知らないが、マージンが見込んであるはずだ。もしも脱線したとしても、もう、それはそれでかまうものかという怖ろしい心理状態になったのではあるまいか。つまり、未必の故意による心中だ。ペナルティの“日勤教育”とやらでノイローゼになり自殺した運転士も過去にいたそうであるから、尋常な精神状態でいられぬストレスを受ければ、人間、瞬間的にそれくらいのことは考えそうである。

 あのカーブで脱線する速度だって、JR西日本は事故のあとににわか計算したのだ。しかもそれすら、人が乗っていないとしてという、ふざけた条件での甘い計算だった。もし――もし、制限速度いうものにちゃんとした科学的・工学的な意味があり、伊達や酔狂で定めているわけではないと運転士が考えるに足る企業風土があれば、ことによると、「ちょっとくらい超えても大丈夫」という発想にはなりにくいだろう。「“みんな”やっていることだから、大丈夫なのだ」という考えかたが常態になっていると、決めごとというのは建前であって“ほんとうはちがう”と思い込んでしまいがちである。たしかに、建前だけの決めごとも多すぎるんだが、確固たる理由のある決めごとだって少なくないのだ。そこいらの区別がつかなくなってしまっていたことが、なんとも怖ろしい……というふうにおれは想像してみているのだが、まったく死人に口なし、確かめようがない。

 こう考えてみると、今回の事故は、コンプライアンスの問題でもあり得るのかもしれない。もし国土交通省が、現実的な条件下での制限速度計算を義務付け、それに多少のマージンを見込んで制限速度を定めさせていたとしても、「決めごとはどうせ建前」とみなが思っている組織に対しては、なんの効果もなかったろう。

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電磁的置き石

 ああいう事故があると、たいていの人は「なんとも悲惨なことだ」と思うわけだが、やっぱりというかなんというか、「おもろいから、もっと起こしてやろう」と思うやつもいるのである。さっそく、あちこちで置き石が頻発しているようだ。

関西の私鉄やJRで置き石6件 東京の埼京線でも
http://www.asahi.com/national/update/0429/TKY200504290276.html

 往来危険による船車覆没致死は、死刑もしくは無期懲役だと最近の学校では教えんのか? おれはたしか小学校の先生に教わったぞ。世間が騒いでいるので、子供が遊び半分でやってるケースも少なくないのではなかろうか? 学校の先生、ちゃんと教えておいてください。

 往来危険になんでこんな重罰が科せられているのかというと、言うまでもなく、誰にでも比較的簡単に実行でき、また、それゆえに、模倣犯を招く可能性も高く、社会的影響も大きいからである。そう考えると、世界最高水準のIT国家(?)としては、“電磁的往来危険”にも重罰を科すべきだと思うがどうか。

 現行の刑法が適用できるコンピュータ犯罪は、三つしかない。「電磁的記録の偽造」(第161条の2)、「コンピュータ関連業務妨害」(第234条の2)、「コンピュータ使用詐欺」(第246条の2)だ。社会インフラがこれだけIT化されているのだから、コンピュータ犯罪によって往来危険が生じ得ることは火を見るよりもあきらかだが、現行の刑法を拡大解釈してそれらを処罰することが、はたして可能なのだろうか? このあたりは、ぜひ専門家の見解を聴いてみたいものである。もしそれが難しいということなら、往来危険についても、もう少し時代に合った方向へ刑法を改めてゆく必要があるだろう。

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2005年4月27日 (水)

『1984年2005』(って、わけわかんねー)

Soft toys keep watch on nannies
http://edition.cnn.com/2005/TECH/04/26/spark.spymaster/index.html

 うーむ、なんか、けっこう可愛いだけに、いっそう殺伐とした気分になる。こういうのをもらったら、とりあえず目を調べてみたほうがいいかも。

 まあ、使いみちによっちゃあ、便利そうではあるんだけどねえ。

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2005年4月26日 (火)

脱線事故

 おれがふだん使っている電車ではないとはいえ、身近な線だけに(おれもむろん乗ったことがある)、あのぺしゃんこの車両を見るとぞっとするね。おれが毎日乗っている京阪電車だって、脱線したことがあるのだ。まったく明日はわが身である。つったって、乗ってるほうは気をつけようがないからなあ。ある意味、地震みたいなもんである。

 CNNのサイトがトップで報じていたのには、ちょっと驚いたね。それほど日本の鉄道は海外でも神話的に評価されているということなんだろうけど。知り合いが乗っていなかったか、死傷者の名前を全部見たんだが、知らない名前ばかりだった。カタカナ表記されている人と同姓同名の人の家族は気が気じゃないだろうと思うね。

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2005年4月22日 (金)

たくさんのカエル

 MSN Video を漫然と眺めていたら、「Entertainment > Discovery Networks」のところに気になるクリップがあった。インタビュアーが街の人に尋ねてまわっているのだ。

「カエルの群れをなんと呼ぶでしょう? 次の三つの中から選んでください。

 1)army 2)navy 3)Delta Task Force 」

 3はまあお約束のお遊びとして、アメリカ人でも2と答える人がいる。正解は1で、「an army of frogs」と言う。もっとも、こういう企画の問題になるくらいだから、アメリカ人でも英語の慣用的言い回しとして知らない人も少なくないようだ。日本人なら、かえって正解が多いと思うな。「カエルの大軍」って誤字を書く人も少なくないし。

 参考までに、こんなページを見つけた。「an knot of toads」なんて表現は初めて聞いたな。ひとつ勉強になった。

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2005年4月21日 (木)

「突撃一番」

 という銘柄の“衛生サック”が戦時中にあったことはよく知られているが、戦後、占領軍用に「アタックNo.1」と改名されたことはあまり知られていない……というのは、むろんガセビア。ウ・ソ・つ・き(緒川たまき風)。

 というわけで『アタックNo.1』であるが、そのうち出るぞ出るぞと思っていた大林素子が、じつは八木沢三姉妹のお母さんであったことが判明した。本人は大喜びで出ているような気がする。全国的にはどうだか知らないが、関西の人にとって、大林素子という人は“むかしバレーをやっていた準お笑い芸人”である。関西ローカル局のバラエティ番組出演頻度も非常に高い。本人もお笑い大好きで、お笑い芸人としょっちゅうつるんでいるそうだ。

 宮地真緒が鬼監督に帰らされてしまった。さすがというかなんというか、存在感はすごいので、あんまり長く出ていると、上戸彩を食いかねないほどである。船越英一郎の判断は正しい。が、おれは残念だ。すらりと背が高くスタイルもよく、バレー選手が似合うことにかけては、今回の出演者の中でピカ一だからである。おれは意外と大女にも弱い。横にだけ大きなのはそのかぎりではない。

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2005年4月19日 (火)

♪ハマコー、ハマコー、ハヒフヘホン

 総裁の方針に反対なら党を出ればいい、不信任案を出して解散すればいいって、おお、まったくハマコーの言うとおりだ。このおっさん、ときどき至極まともなことを言うな。いいぞ、ハマコー、もっと吠えろ。

 そもそも、うじうじぐだぐだとダダをこねている自民党の郵政民営化反対派のやつらは、いったい政党政治というものをなんだと思っているのだろう? あんたらが離党して新党を作ることを止めるものはなにもないぞ? 不信任案を提出するのを阻むものもないぞ。というか、そうしないとおかしいだろうよ。そうするのが議会制民主主義下の政党政治というものだ。選挙のときだけ小泉人気のおすそわけに与っておいて、自分たちが選んだ総裁の方針にダダだけこね、かといって、党を出てゆくわけでもない。おまえらには自分の思想というものがないのか? 自民党に入ったのは、ただただ単に数が多かったからか? そんなことだから、口にする言葉はことごとく軽んじられ、国民にバカにされるのだ。国民をバカにしているのだから、国民にバカにされるのは当然のことである。おまえらなんぞに誰が投票してやるものか。

 なーんか似たようなものを最近見たなと思ったら、そうだ、資本制下で上場会社に入っておきながら、買収されそうになると、本業をよくすることとはまったく関係のない浪花節的文脈でうじうじぐだぐだと泣き言を吐くフジテレビの社員にそっくりだ。「知らない人が社長になるのがイヤなら、上場しちゃだめですよ」ってホリエモンの言葉はまったくそのとおり。でもって、イヤな知らない人が社長になってしまったとしたら、とっととその会社を出て、気に入った人が社長をやっているほかの放送局なりなんなりにゆけばよいだけの話である。それだけの話である。それが株式会社というものだ。

 自民党やフジテレビで非建設的にゴネてるだけのやつらよ、おまえら、いままで“大きな組織に属していること”に恩恵を受けたことがないとでもいうのか? うまい汁は吸いたい、安定した身分でいたいなどというのは、あまりにも意地汚いぞ。どあつかましいにもほどがあるわい。おまえらなんぞに国政を委ねられるものか。社会保険庁へでもゆけ、雇用能力開発機構へでもゆけ、大阪市へでもゆけ。大阪城公園でもいいぞ。

 どうもこの国には、資本制と議会制民主主義すら、いまだに根づいていないようだ。

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2005年4月18日 (月)

万にひとつだろうが億にひとつだろうが

 そのひとつは誰かに当たるんだろう? 少しでも発生を減らせる手段が存在し、その手段が現実的に実行可能で、現にその手段を採っている国があるんだから、なぜ世界一の大国にそれができん?

 全頭検査もまともにできない国が、なぁにが“Science is on our side.”であるかと、いつもながらのアメリカの手前勝手な論理に憤然としておったのだが、まあ、やつらの言うこともわからんではない。要するに、アメリカが振りかざしているのは、おれが“『サイコロ特攻隊』的論理”と呼ぶものだ。個々人のかけがえのない命を統計数字としか見ていないのである。これが、サリドマイドを頑として認可しなかったFDAの検査官にケネディ大統領が勲章を授けた国か。がんばれ、小泉首相。ここだけはなんとしても譲るな。科学はわれわれの側にこそあるのだ。

 まあ、もう二十年もしてみろ、変異型クロイツフェルトヤコブ病にかかったブッシュの孫かライスの子か誰かが、「ああ、日本人は正しかった」と納得するのにちがいない。もっとも、それが人間としてまともな最後の思考になるかもしれないが……。

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2005年4月15日 (金)

深夜の筒井康隆ふたたび

 リンゴとモモコの深夜の冠バラエティ『ビーバップハイヒール』(朝日放送)を、観るともなしにながら視聴。まだ二回めの新番組だが、それにしても、こういうベタなタイトルはやっぱり大阪じゃのう。

 おれにとっての目玉は、筒井康隆がレギュラー出演している点である。こんな時間に筒井さんが毎週出てくる番組なんて、『23時ショー』以来ではあるまいかって、いつの話だ、いつの。

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2005年4月14日 (木)

究極でもない選択

 「息だけは福山雅治」と「息以外は福山雅治」と「息だけの福山雅治」。

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芸人も命がけ

「TV番組でキス強要」 女性が抗議、テレビ大阪が謝罪
http://www.asahi.com/culture/update/0413/002.html

 うーむ、なんとも安易な企画だなあとは思うが、まあ、それは置いておくとしても、大阪のノリで名古屋でロケしたことが不幸のはじまりのような気もするな。

 どんな番組のどんなコーナーだかおれは観たことないので詳しくは知らんが、大阪だったら、女性は岩尾を張り倒すか股間にパンチでも食らわせて“画”にしてみせたうえ、カメラを捜してVサインを出すか中指を立ててみせただろう(いやまあ、あくまで想像です、想像)。

 東京だったら、女性はダッシュボードから取り出した催涙スプレーを岩尾の顔面に吹きつけるか、ダッシュボードから取り出したスタンガンで岩尾に電撃を食らわせただろう。

 アメリカだったら、女性はダッシュボードから取り出した護身用の22口径で岩尾の脚に穴を空けて車の外にまろび出るか、ダッシュボードから取り出した44マグナムで岩尾の頭を吹き飛ばしただろう。

 ま、大阪のローカル番組のノリがどこででも通用すると思っていた制作側が全面的に悪いな。

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2005年4月12日 (火)

どうするつもりでしょう?

 おおお、「女房酔わせてどうするつもり?」六十秒バージョンがウェブで観られるとは、いやあ、便利な世の中になったもんだ、婆さんや。こんなのテレビで観たことないぞ。ここにこうして存在するからには、やってる時間にはやってるんだろうが、おれは一度も観たことない。こういうのをビデオ・オン・デマンドというのぢゃな、婆さんや。

 いやあ、いいねいいね、石田ゆり子。文句つけるわけじゃないのだが、できたら眼鏡かけてこれやってくれんかなあ。

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2005年4月11日 (月)

銀河鉄道999999999

shashou ちと写りが悪いが、コンビニでペットボトル茶を買ったら付いてきた車掌さん。同じのばかり三つも当たった(とは言わんな、これは)。もしかしたら、車掌しかないのではないか。五つ集めるとメーテルと交換とかいう制度はないのか。

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2005年4月10日 (日)

おいおい、本気じゃないだろうな

 ホリエモン対抗のために“テレビとネットの融合”“先手を打った”とかなんとか報道されているフジテレビの「ブログタイプ」であるが、アホか、なんという古臭いことを考えるのだ。テレビとネットの融合って、そういう意味やないわい。ブログをドラマ化するなんて、そんなもん、マンガをドラマ化する、映画をノベライズするといったことと、なんのちがいもないではないか。そんなことは、とっくのむかしにローカル局だってやっとるわい。単に媒体の乗せ換えにすぎない。そういうのは、“テレビとネットの連繋”、あるいは、よくても“テレビとネットの嵌合”と言うのだ。やってるほうもアホなら、“テレビとネットの融合”などと報道しているほうもアホである。

 エンタメ系の優れたノウハウがあり、テレビという媒体の枠の中では革新的なことをやってきた人材を持つはずのフジテレビが、この程度のアホなことをいまさら新しげにやること自体に呆れてしまう。たぶん、やってるほうだって、アホなことだとわかっているのではあるまいか。フジテレビとその周辺にうなるほどいる頭のいい人たちが、そんなことに気づいていないわけがない。おおかた、現場のわかっている人たちは、「なんか、ネットと融合しているのをこれ見よがしに形にしろと上から言ってきたけど、こういうのでもやっとけば、上はまんまと騙されて納得するだろう。アホらし」といった調子で、にわかに適当にこういう番組をでっち上げたのだろうな。ご苦労なことで、ご同情申し上げる。

 もし、関係者の誰もが、ブログをドラマ化する程度のことを“テレビとネットの融合”だと本気で思ってやっているのだとしたら、ホリエモンがやろうがそのほかがやろうが、テレビは、少なくともフジテレビは、早晩衰退するのはまちがいない。もう少しましだと思っていたのだが、おれはこれで決定的に呆れた。目を覚ませ、おれの愛したテレビよ! 誰かに時代遅れにされる前に、みずから打って出て、みずからを変えるのだ!

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『仮面ライダー響鬼』にめがねっ娘

 敵方が組織化されていないのが『仮面ライダー響鬼』の大きな特徴だと思っていたら、なにやら黒装束の怪しいやつが出てきて、怪童子や姫に力を与えはじめた。どうやら、こいつが近年の変則的な魔化網の活動に関係しているらしい展開。なにか設定上の大仕掛けが隠されているもよう。察するに、あいつは“裏猛士”“裏鬼”みたいなやつで、人間である可能性もあるな。

 梅宮万紗子登場。いやあ、正統派の美女(邪道の美女なんてものがあるかどうかは知らないが)を揃えますなあ、『仮面ライダー響鬼』。どうやら猛士の装備の研究開発担当らしい。予告篇に眼鏡・白衣姿が出てきた。おおおおお……(感動のあまり言葉が続かない)。梅宮アンナの従姉妹だとは聞いていたが、高橋克典のハトコにあたるとは、さっき調べてみて初めて知った。なんちゅうか、美男美女ばかりの親戚筋でございますな。梅宮アンナはバタ臭すぎて好きじゃないが、万紗子はいいよなあ。いっそ、ずっと眼鏡・白衣で出しなさい。眼鏡・白衣の写真集を出しなさい。公式ウェブサイトで、眼鏡・白衣の壁紙を配りなさい。

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2005年4月 9日 (土)

今年もテレビでクレしん映画

 前年の劇場公開作を一年遅れで地上波テレビで観るのが習慣になっているクレヨンしんちゃん映画、今年は『嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』を観た。

 よくできてはいるんだが、どうも残尿感があってイマイチだ。『電撃!ブタのヒヅメ大作戦』(1998)、『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001)、『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』(2002)といった作品が、あまりに大人向けに完成度が高すぎて、もはやヤキニクロードやカスカベボーイズではもの足りないのだ。結局、おれは原恵一テイストが好きなんだろうか。原がメガホンを取った(って言うのか、アニメも)の作品は、子供向けとしてはいかがなものかとは思うんだけど、出来はいいよね、やっぱり。

 もうすぐ劇場公開の『伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃』は、予告を観るかぎりでは、なんとなくオトナ帝国的な感じがするんだが、監督のムトウユージはクレしん映画は初めてだから、期待と不安が交錯する。ま、たぶん来年テレビで観るんだろうけどね。

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あー、死ぬかと思うた

 さっきコンビニ弁当を食いながら『探偵!ナイトスクープ』の録画を観終わったところ。いやあ、あの奇態の、いや、危殆の、いや、希代のマジシャン爺さんが、ひさびさに三度目の登場! おれはテレビに身を乗り出したね。笑うた笑うた、飯食うどころではなく、涙と鼻水を垂れ流しながら、いまにも脱糞しそうであった。あの爺さん、もう九十八歳になっているんだよなあ。かくなるうえは、百になっても百二十になっても、卵マジックをやり続けてほしいものである。

 それはともかく、歳のせいか、おれ、『探偵!ナイトスクープ』だけは、マジで涙を流して泣いてしまうことがままある。不思議だ。現実の自分のことでは、少なくとも二十年以上は泣いた記憶がないのに、なぜかこの番組にだけは泣かされてしまうのである。西田局長じゃあるまいし、なんでこういうのには弱いのかね? 今日も一本めでうるうる来てしまった。頭では「チープだなあ、定型だなあ」と思いながら、涙腺だけは反応しているのである。歳食うとこういうふうになるもんなのかな?

 ああ、どっと疲れた。泣いたり笑うたり、ええ運動になるわい、この番組は。『探偵!ナイトスクープ』があって、鳥木千鶴アナがいるかぎり、おれは朝日放送を応援するぞ!

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2005年4月 8日 (金)

発展的日記

 学習指導要領に含まれていないので、必ずしも読む必要はありません。

 ……て、いやしかしそれにしてもなんにしても、元素の周期表がいつのまにか義務教育では「発展的」内容になってしまっていたとは知らなんだ。ということは、原子の構造(量子論的な話は抜きにして)も、ゆとりの教育とやらでは基本的には教えていなかったということなのだろうか? あるいは、原子とはこういうもんですわというのは一応教えて、「はい、フッ素と塩素と臭素とヨウ素はなぜか性質が似ていますね。似ているんです。問答無用。はい、次行ってみよー」などとやっていたのだろうか? 奇ッ怪だ。不可解だ。わからーん。

 周期表習わなかったら、こういうバカな遊びもできんではないか。小中学生から楽しみを奪ってはいかん。もっとも、「エッチ変態リッチなベッド僕の震えるねぇちゃん何して回してあれしてピストンくるくる あー快感」などとほんとうに憶えているやつがいたら、それはそれで教育上問題あるような気もするが……。

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2005年4月 7日 (木)

地獄に落としてみやがれ

 女児を強姦していた聖神中央教会とやらの代表は、「逆らうと地獄に落ちる」などと脅していたそうだが、それって、細木数子とかいうなんの藝もないおばはんと、それをもてはやして視聴率を稼ごうとするアホテレビ局のやってることとあんまり変わらんと思うが。「電波の公共性」とやらが聞いてあきれるわい。外資が入ったほうがマシになるのとちがうか。

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多けりゃいいってもんじゃない

 桜の花が嫌いなわけではないのだが、ソメイヨシノばかりがこれでもかこれでもかとみっちり植えてあったり(“生えている”のではない)、ずらりと並木になっていたりするような場所は、どうも慌しくて苦手である。というか、ソメイヨシノは度を越すと下品だ。なんかこう、磯野貴理子と出川哲郎と松野明美の座談会みたいな気がする。落ち着かない。

 いかにも殺風景な枯れた風情の山寺のようなところに、そこだけぱっと明るくなっている感じで咲いている類の桜がよい。なぜか朝の通勤電車に乗っている吉永小百合みたいな感じがよい。ソメイヨシノじゃなくて、どこか野趣を残したヤマザクラ風のものがよい。お酒は発泡酒じゃなくて、温めの燗がよい。肴はあぶったイカでよい。

 パチンコ屋の開店じゃあるまいし、どうもあまりにも下品なソメイヨシノの物量攻撃を見ると、「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」って在原業平の歌も、現代ではちがった解釈をしたほうがよいのではないかとさえ思えてくる。つまり、楽しみな桜が気になってしようがないという意味ではなく、下品な桜が目にうるさくて正直かなわんという意味に取ったほうが、いまの世には適当ではあるまいかと思ったりするのである。

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2005年4月 5日 (火)

嘔吐

 電車であなたが座っていると、目の前に顔色の悪い妊婦が立つ。ほつれ髪が汗で額に貼りつき、見るからに気分が悪そうだ。

 あなたは席を立って、「どうぞ」と手で示す。「ありがとうございます」と妊婦は空いた席に座る。と、突然「うっぷ」と呻いた蒼い顔の妊婦は、両手で口を押さえる。「だ、大丈夫ですか!?」とおろおろするあなたがかがんで妊婦の顔を覗き込むと、彼女の口からひと揃いのトランプがずららららららっと出てくる。

 ……って“どっきり”を思いついたのだが、誰か手品の得意な女性やりませんか?

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2005年4月 2日 (土)

ラストオーダー

 あなたが仕事に恋に趣味に、ばりばり人生を謳歌していると、ある日、駅のトイレで、あなたの目の前に高級レストランのウェイターが突然現われる。

「ラストオーダーでございます」

 そう告げたウェイターは、あなたがとまどっているうち、笑顔で軽く黙礼して溶けるように消えてゆく。あなたはそのまま電車に乗るのだが、もうあなたが生きて家に帰ることはないのだ。

 ……なんてことをときどき想像してみたりする。そう遠くないいつの日か、ラストオーダーのウェイターは必ずやってくる。そのとき、「ありがとう。おいしかったよ」と穏やかに言えるおれでありたいと願うのである。

 もうひとつ、厭なバージョンもある。

 あなたが仕事に恋に趣味に、ばりばり人生を謳歌していると、ある日、あなたのケータイが、いつもの着メロとちがう「プルルルル」という無粋な音を立てる。

 怪訝に思ってあなたが電話に出ると、向こうがわの声は事務的に言う――「あと10分です」

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不可逆性

 鼻歌で「セタップ!仮面ライダーX」を唄っているとしばしば「戦え!仮面ライダーV3」になってしまうのに、V3を唄っていてもXにはならない。不思議だがほんとうだ。

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